- ●黒点スケッチの方法(黒点の群わけに迷ったら こちら)
- ●部分日食の観測法
- ●星座写真の撮り方
天文資料集
天体観測の方法
黒点スケッチの方法
最も古典的な観測法である。天文台などの研究機関では写真観測や自動観測などが主流だが、
誰でも手軽に一定の精度での観測ができることから学校や熱心なアマチュア観測家の間では
今も観測が続けられている。
国際的なネットワークが組まれ観測データのやり取りが行われている。
黒点観測の意義は、太陽活動の指標となること、何百年~何千年という太陽活動の
変動を調べるための基本的な物差しとなることにあると言えるだろう。
●投影法によるスケッチ観測
一定の観測精度を保つことができ、且つ安全に太陽観測ができる投影法での観測を行う。
1 道具
太陽投影板(15cm径のスケッチ用紙が使えるもの)
○スケッチ用紙 投影した太陽像と同径の円を描いたケント紙または上質紙(中性紙)
→投影像は10cm以上とする(推奨15cm程度)
○太陽経緯度図 市販品(15cm径用0~7度)、インターネットからの入手も可能
○太陽PBL表 理科年表など、インターネットからの入手も可能
○ほか HBよりやや硬めの鉛筆、厚手白紙(サイズはタテ折葉書程度)
分度器、定規、赤鉛筆、あると便利→ライトボックス、曲線定規
2 観測の手順
→黒点の外形を先に描き、大きさが広がり過ぎないようにする
→スケッチは迅速かつ正確に、30分程度で終えるようにする
→白紙を投影像の手前で小刻みに振ると小黒点などが見やすい
○計数 ひと固まりに見える黒点の中の小黒点数を固まりごとに数える
→通常は黒点の暗部のみをカウントする
○方位出し 望遠鏡の追尾を止め、黒点の移動方向から西方向を求める
→黒点の経緯度を求めるための基準の東西線となる
○記録 観測年月日・時刻、観測者、シーイングほか特記事項など
3 観測の整理
○経緯度 東西線をもとに太陽の極軸の傾きP,Bを求める
→経緯度図とLの表から黒点の経緯度を群ごとに測定する
○相対数 R=k(10g(群数)+f(小黒点個数)
○群番号 群ごとに任意の一連の群番号あるいはNOAA番号を付与する
→NOAA番号(世界共通)はインターネットから入手できる。
◎月報
①黒点相対数表(川口)
②黒点群表(川口)
○完成したスケッチ
●部分日食の観測法
太陽を望遠鏡で直接見るのは非常に危険なので絶対にやってはいけない。
望遠鏡がなくても部分日食の観測はできる。
(大型の黒点群が現れたときなども、普通の視力なら部分日食と同じ方法で観測可能)
一つは、遮光板(別名 日食メガネ)を使う方法。
→これは様々なタイプのものが学習教材として市販されている。
もう一つはピンホールで太陽を投影する方法。
→使用済みテレフォンカード、バスカードなどピンホールのあいたやつを1枚用意する。
それと白い紙。ノートでも何でもいい。
で、ピンホールからもれる太陽の光を白い紙の上に投影する。
そうすれば欠けた太陽の姿を簡単に見ることができる。
また、超大型黒点が出た時などはその姿を映してみることもできる。
ピンホールと白い紙の間隔をなるべく離して
うつる太陽像をなるべく大きくすることだ。
このとき、まわりが明るいので、できるだけ遮光すること。
そう、ピンホールカメラを作るときと全く同じ要領だ。
ところで、以下は木漏れ日を撮影したもの 部分日食観測用にあきダンボールを使って
大型のピンホール太陽観測ボックスを作ってみた
(QP人形や電話と大きさを比較)
これを使って太陽像ををピンホールで落としたものが
次の写真、箱を大きくすればするほど投影された太陽の姿も大きくなる。
●星座写真の撮り方
だが星座を撮る程度なら、カメラの高感度化により手軽にある程度のものが撮れるようになった。
道具は、カメラと三脚だけ。思い立ったら、近所の公園などで撮ってみよう。
- ★撮影方法
- カメラを三脚に固定。ISO感度をできるだけ高く設定。レンズ絞りはできるだけ明るく
シャッター速度はバルブ、または数秒以上。マニュアルフォーカスまたは無限遠で
三脚がなかったので・・
無謀にもカメラを手持ちで2秒露光し撮影した木星、
手前のシルエットは広島大学宇宙科学センター付属東広島天文台1.5mかなた望遠鏡
手ぶれをfできるだけ防ぐ工夫をすれば、何とか絵にはなる。
①市街地で撮った星
- テクニカルデータ:
- デジタル一眼レフカメラによる固定撮影
F1.8標準レンズ開放、8秒露光、ISO3200設定。フォトショップにより補正。
(撮影地 大宮駅近郊/撮影者 科学館天文スタッフ)
②旅先で撮った星(京都大学飛騨天文台のふもとの山宿から~雲の切れ間ごし)
- ★テクニカルデータ:
- デジタル一眼レフカメラによる固定撮影(上記、街中と同条件)
F1.8標準レンズ開放、8秒露光、ISO3200設定。フォトショップにより補正。
③山で撮った星
- ★テクニカルデータ
- 上と同じ